【沖縄観光レポート 2026年7月実績号】7月の沖縄、96.4万人で過去最高。伸びたのは外国客と関西方面 2026年9月3日
連載: 沖縄観光レポート ― 県の入域観光客数速報を毎月読み解きます|2026年7月実績号
【沖縄観光レポート 2026年7月実績号】7月の沖縄、96.4万人で過去最高。伸びたのは外国客と関西方面

8月25日、県の7月速報が出ました。見出しは「7月として過去最高」。いいニュースです。ただ、弊社がサポートしているクライアント施設の7月を振り返ると、去年と同じ賑わい方ではなかったんですね。何が違ったかというと、お客様の顔ぶれです。
先に要点を書きます。2026年7月の沖縄県入域観光客数は96万3,900人。前年同月より1万6,300人(1.7%)多く、7月としては過去最高です(沖縄県観光政策課・8月25日公表)。内訳は国内客が1.5%減、外国客が11.0%増。合計は増えたけれど、増えたのは外国のお客様で、国内のお客様は台風で減った。この1行を頭に置いて読んでもらえると、話が早いです。
3年分を並べると、7月は「2019年に追いついた月」
要点2026年7月の入域観光客数96万3,900人は、2019年7月(96万3,600人)とほぼ同じ水準です。
2019年7月は96万3,600人でした。今年の7月との差は300人。県全体の1か月で300人なら、同じと言ってしまっていい差です。6月が台風6号・7号の欠航で前年比4.0%減(80万5,700人)まで落ちていたので、7月でひと月分を取り返した格好ですね。
ただ、合計が同じでも中身は違います。ここからが本題です。
国内客が減ったのは台風9号。関西方面だけは過去最多
要点国内客は69万3,800人で前年比1.5%減。台風9号の欠航が要因で、関西方面だけが7月として過去最多でした。

国内客は69万3,800人で、前年同月より1万400人少ない。県の資料には「航空会社の増便・臨時便があった一方で、台風9号の接近に伴い航空便の欠航等があった」とあります。増便で押し上げて、欠航で押し下げて、差し引きで少しマイナス。台風は毎年来ますが、増便の月に重なるとこういう形になります。
出発地別では、東京方面が33万9,200人で4.0%減。国内客の48.9%を占める東京が減れば、全体も沈みます。一方で関西方面は15万2,600人、3.5%増で7月として過去最多でした。福岡はほぼ横ばい(0.2%減)、名古屋は2.7%減。東京の減り分を関西の伸びが一部埋めた形でして、どこからのお客様が多いかによって、7月の実感は施設様ごとに分かれたはずです。
県全体の外国客は11%増。空路も海路も伸びた
要点外国客は27万100人で前年比11.0%増。構成比は28.0%に上がり、2019年7月比では約89%の水準です。
外国客は27万100人で、前年同月より2万6,700人多い(11.0%増)。空路19万7,200人(11.0%増)、海路7万2,900人(10.8%増)。入域観光客に占める外国客の比率は、県の数字で計算すると25.7%から28.0%に上がりました。国内客の減少分1万400人を、外国客の増加分が2倍以上で埋めた計算です。
ただ、2019年7月の外国客は30万2,800人ありました。県の数字で割り算すると、今年の外国客はまだ2019年の約89%。合計は2019年並みでも、中身は「国内客が2019年より多く、外国客はまだ少ない」なんです。外国客の伸びしろは、まだ残っています。
7月の国別内訳は、出入国在留管理庁の公表を待って県が10月に確定版で出します。参考になるのは5月の確定版で、外国客22万300人のうち台湾が10万7,700人(48.9%)、韓国が5万7,700人(26.2%)。この2つで4分の3。中国本土は6,400人で84.1%減でした。7月も大きな構図は同じだろう、と私たちは見ています。
弊社クライアント施設でも、7月は「外国のお客様が半分を超えた月」でした
要点弊社クライアント施設では7月、海外のお客様の売上比率が51.1%と半分を超え、客室単価は前年比+8.6%でした。
ここからは、弊社がサポートしている県内の複数のクライアント施設(那覇・中部・北部)の7月を、総合した傾向値として書きます。個別の施設や金額は出しません。県の統計と同じ向きを向いているかどうかを見るための数字です。
| 弊社クライアント施設の傾向(2026年7月) | 前年7月との比較 |
|---|---|
| 平均客室単価(ADR) | +8.6% |
| 海外のお客様の売上比率 | 約4割 → 51.1% |
| 1室あたりの宿泊人数 | 3.31人 → 3.50人 |
| 予約から宿泊までの日数(海外のお客様を含む施設) | 44.1日 → 49.7日 |
弊社集計(2026年9月2日時点・税込)。施設ごとの値を売上規模・販売室数で加重した傾向値。定員の多い部屋タイプが多いため、1室あたりの宿泊人数は一般的な平均値より多くなる傾向があります。
単価が上がり、部屋あたりの人数が増え、売上に占める海外のお客様の比率が半分を超えました。予約が入るタイミングも、前年より1週間ほど早くなっています。国内客が減った月に、こういう形で数字が支えられた。県の統計と、弊社のデータから見えてくる傾向は、ほぼ同じ向きでした。
国籍を見ると、韓国のお客様が6.5%から11.4%へほぼ倍増、台湾が13.0%から14.9%へ。日本のお客様は49.4%から49.2%で横ばいでした。県全体で国内客が減った月に、クライアント施設では国内のお客様の比率が保たれ、その上に韓国・台湾が乗った。5月の県の確定版にあった「台湾・韓国が過去最多」という動きが、7月の現場にもそのまま出ています。
予約経路も同じ方向です。Booking.comが30.1%、Agodaが14.1%、Expediaが13.8%。海外のお客様が多く使う4サイト(Booking.com・Agoda・Expedia・Airbnb)を合わせると59.9%になりました。国内系サイトの比率が下がったというより、海外系の伸びが大きかった、という読み方をしています。Booking.comは日本のお客様も使うので、「海外系サイト経由=外国人」ではない点だけ添えておきます。
8月のふりかえり:台風13号と18号に挟まれた月
要点8月は台風13号(6〜9日)と18号(25〜27日)で欠航が相次ぎ、OCVBの8月見通しは前年比90.7%でした。
8月の県の速報が出るのは9月下旬です。先に、いま分かっていることを並べておきます。
台風13号が8月6日から9日にかけて接近し、県内発着で少なくとも612便が欠航、9万人以上に影響が出ました(琉球新報)。月末には台風18号で25日から27日にANAだけで119便が欠航しています。OCVBの8月の見通しは前年比90.7%でした。
弊社クライアント施設の日別の動きを、月平均を100とした指数で描くと、台風の跡がはっきり出ます。台風13号の8日には販売室数が月平均の半分近くまで落ち、直後のお盆には客室単価が月平均の3割上まで上がった。月末の台風18号でもう一段落ちて、8月が終わりました。それでも月を通した客室単価は前年並みを保ち、海外のお客様の売上比率は前年の約4分の1から3分の1超へ上がっています。台湾・韓国のお客様の伸びは、8月も続きました。
本題は9月。座席が増え、連休と祭りが重なる
要点OCVBの見通しでは9月の入域観光客数は前年比101.4%、海外空路は127.0%。9月19日からの3連休が需要の山です。
沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)が8月31日に出した見通しでは、9月は前年比101.4%(96万1,900人)、10月は102.7%(101万3,000人)。国内空路は9月103.3%、10月100.2%と前年並みです。
目を引くのは海外空路でして、9月が前年比127.0%(22万人)、10月が123.8%(22万5,000人)。台北=那覇線の増便、高雄=石垣線の新規就航(9月2日〜)、8月16日から飛んでいるドンムアン=台北=那覇線(タイ・ライオン・エア)で、座席そのものが増えるためです。クルーズ(海路)は寄港が減るので前年を下回る見込みですが、空路の増加が大きく、合計では前年を上回る読みになっています。
国内側の材料も9月に集まっています。沖縄全島エイサーまつりが9月4日から6日(沖縄市コザ運動公園)、シルバーウィークの3連休が9月19日から21日、23日も祝日です。OCVBは「予約も堅調に推移している」と書いています。
日別で見ると、9月の山は19日からの3連休にあります。弊社の見込みでは連休の宿泊者数は前年同日を大きく上回り、8月末の時点で見込みの8割以上がすでに予約で埋まっています。10月10日からの3連休も同じ形です。連休の谷間、9月中旬の平日は前年並みかやや下で、ここは値付けの工夫がいる期間ですね。
弊社クライアント施設の予約状況も、この見通しと矛盾していません。9月と10月は前年同時期とほぼ同じペースで予約が入っており、11月は早めの予約が前年を上回っています。座席が増える月に合わせて、海外からの早い予約が動き始めている、と私たちは読んでいます。9月はまだ台風の季節でもあります。「過去最高」という言葉は、台風には聞こえていませんから。
7月実績号のあとがき
月ごとにお客様の顔ぶれが変わって、連休と台風が同じ月に来る。こういう状況で料金やプラン、予約サイトの設定をどう組み立てるかは、施設ごとに答えが違います。弊社では施設様と一緒にその設計を考え、手間のかかる設定の作業もお手伝いしています。「まず自分の施設の数字を一緒に読んでほしい」というご相談から始めることもできます。
この記事のおさらい
7月実績号の中身を、聞かれそうな問いに短く答える形でまとめました。
2026年7月の沖縄県の入域観光客数は何人でしたか?
96万3,900人です。前年同月比1.7%増(1万6,300人増)で、7月としては過去最高でした(沖縄県観光政策課・2026年8月25日公表の速報値)。
2026年7月に沖縄の国内客が減ったのはなぜですか?
台風9号の接近で航空便の欠航が出たためです。国内客は69万3,800人で前年比1.5%減。出発地別では関西方面だけが7月として過去最多でした。
2026年7月の沖縄の外国客はどのくらい増えましたか?
27万100人で前年比11.0%増です。空路11.0%増、海路10.8%増。入域観光客に占める外国客の比率は28.0%で、2019年7月の約89%の水準まで戻っています。
2026年9月の沖縄の観光客数はどうなる見込みですか?
OCVBの見通し(2026年8月31日公表)では前年比101.4%の96万1,900人です。海外空路は127.0%と大きく伸びる見込みで、9月19日からの3連休と沖縄全島エイサーまつり(9月4〜6日)が需要の山になります。
出典・参考
- 沖縄県文化観光スポーツ部 観光政策課「令和8年(2026)7月 入域観光客数概況(速報)」2026年8月25日公表 PDF(取得日 2026-09-02)
- 同「令和8年(2026)6月 入域観光客数概況(速報)」2026年7月27日公表 PDF(取得日 2026-09-02)
- 同「令和8年(2026)5月 入域観光客数概況(確定版)」2026年8月25日公表 PDF(取得日 2026-09-02)
- 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)「2026年8月〜10月 入域観光客数見通し」2026年8月31日公表 ページ(取得日 2026-09-02)
- 琉球新報「【台風13号】空路612便が欠航 沖縄発着、9万人超に影響」2026年8月 リンク / 「【台風18号】那覇空港を中心にANA計119便が欠航 25〜27日」 リンク(取得日 2026-09-02・リンク紹介のみ)
- 沖縄市観光ポータル コザウェブ「第71回沖縄全島エイサーまつり2026」(9月4日道ジュネー、5〜6日コザ運動公園) リンク(取得日 2026-09-02)
- 沖縄県「入域観光客概況の公表」 一覧ページ
- トラベルコネクト集計: 弊社がレベニュー支援を行う県内のクライアント施設の予約データ(2026年7月・税込・2026年9月2日時点)。比率・平均値のみ掲載し、施設名・金額・施設数は非公開。国籍別は国籍が記録されている施設のみ
- 参考記事: 観光経済新聞「沖縄県、7月の入域観光客 同月の過去最高に」2026年9月2日 リンク(数値は県資料と一致を確認)
「2019年比」「国内客減少分と外国客増加分の比較」「海外系サイト4社の合計シェア」「弊社集計の加重平均」は、県資料と弊社集計の数値から計算したものです。7月の外国客の国別内訳は2026年10月の確定版公表後に追記します。
