【2025年2月最新】沖縄県入域観光客数データ分析 2025年4月28日

【2025年2月最新】沖縄県入域観光客数データ分析

「2025年2月の入域観光客数はどうだったのか?」「前月・前年と比べて変化はあったのか?」「注目すべきトレンドは?」このようなデータ分析の疑問を持つホテル関係者の方は多いのではないでしょうか。月次データを読み解くことは簡単ではありません。
本記事では、沖縄県が発表した2025年2月の入域観光客数データを徹底分析します。過去のトレンドとの比較や地域別・交通手段別の詳細データから、重要なポイントを解説していきます。
目次
2025年2月の入域観光客数概況
総観光客数
2月として過去最高
国内観光客
コロナ前の水準を超える
外国人観光客
コロナ前の72.9%まで回復
2025年2月の沖縄県入域観光客数は78万1,300人で、前年同月比8.6%増となりました。これは2月としては過去最高の数字です。特に注目すべきは、国内観光客数が前年比5.5%増の60万6,200人と好調に推移し、コロナ前(2019年2月)の水準を上回る結果となったことです。
- プロ野球春季キャンプ等のイベント開催効果
- 各路線の輸送実績が好調に推移
- 地方発着チャーター便の運航増加
・2月としては過去最高の入域観光客数を記録、特に国内観光客はコロナ前水準を上回る
・プロ野球春季キャンプなど2月特有のイベント効果を今後の需要予測に活用
・イベントカレンダーと連動した料金設定とプロモーション戦略が重要
月次推移と過去3か月のハイライト
まずは直近3か月間(2024年12月~2025年2月)の入域観光客数の推移を見てみましょう。この期間を分析することで、年末年始および冬季の沖縄観光の傾向がわかります。
月 | 入域観光客総数 | 前年同月比 | 国内観光客 | 外国人観光客 |
---|---|---|---|---|
2024年12月 | 816,400人 | +22.5% | 612,300人 | 204,100人 |
2025年1月 | 783,400人 | +24.5% | 566,800人 | 216,600人 |
2025年2月 | 781,300人 | +8.6% | 606,200人 | 175,100人 |
- 12月~1月の外国人観光客増加:年末年始および旧正月の影響で外国人観光客が増加
- 2月の国内観光客回復:プロ野球キャンプ等の影響で国内観光客が1月から約4万人増加
- 前年との差:直近3か月すべてで前年同月比プラスを維持、特に12月と1月は20%以上の伸び
12月から2月にかけての推移を過去複数年で比較し、年末年始や旧正月(2025年1月29日)、プロ野球春季キャンプ(2月開始)など のイベントに連動した変動を理解したうえで、料金やプロモーション戦略に活かしましょう。
特に注目すべきは、2025年2月の国内観光客数が前月比で約4万人増加している点です。これはプロ野球春季キャンプなど沖縄特有の2月イベントによる効果と考えられ、過去数年の傾向から、この需要パターンは今後も継続する可能性が高いでしょう。
2025年2月の詳細分析
国内観光客の分析
2025年2月の国内観光客は前年同月比5.5%増の606,200人で、2月としては過去最高を記録しました。地域別に見ると、東京方面からの観光客が全体の約半数を占め、次いで関西方面、福岡方面、名古屋方面の順となっています。
地域 | 観光客数 | 前年同月比 | 構成比 |
---|---|---|---|
東京方面 | 294,600人 | +6.6% | 48.6% |
関西方面 | 124,900人 | +2.9% | 20.6% |
福岡方面 | 74,700人 | +0.7% | 12.3% |
名古屋方面 | 54,200人 | +7.8% | 8.9% |
その他 | 57,800人 | +10.7% | 9.5% |
注目すべきは「その他」地域からの観光客が前年同月比10.7%増と大きく伸びていることです。これは地方発着チャーター便の運航増加が要因と考えられ、今後もこの傾向が続く可能性があります。また、名古屋方面からの観光客も7.8%増と好調です。
プロ野球春季キャンプによる2月の需要増加は安定したパターンとなっています。3月の春休み期間も引き続き需要が見込まれ、その後GWへと続く流れを押さえた運営計画が重要です。ただし、5月連休後〜6月は例年閑散期となる傾向があるため、早めの対策が必要でしょう。
外国人観光客の分析
2025年2月の外国人観光客数は前年同月比20.9%増の175,100人となりました。これはコロナ前(2019年2月)の72.9%の水準まで回復していますが、まだ完全回復には至っていない状況です。
外国人観光客の特徴として、2025年1月が216,600人だったのに対し、2月は175,100人と減少しています。これは旧正月(2025年は1月29日)の影響と考えられ、アジア圏からの観光客が1月に集中したためと分析できます。
外国人観光客数は増加していますが、まだコロナ前の水準には戻っていません。特に中国本土からの観光客の回復が遅れています。多言語対応や決済方法の多様化など、インバウンド対応の準備を進めつつも、メインターゲットはまだ国内客に置くバランス戦略が重要です。
交通手段別の状況
交通手段別に見ると、国内空路が約77.4%を占め、次いで海外空路(16.7%)、海外海路(5.7%)の順となっています。
交通手段 | 観光客数 | 前年同月比 | 構成比 |
---|---|---|---|
空路(国内) | 604,400人 | +5.5% | 77.4% |
空路(海外) | 130,400人 | +38.1% | 16.7% |
海路(国内) | 1,800人 | +12.5% | 0.2% |
海路(海外) | 44,700人 | -11.3% | 5.7% |
特に注目すべき点は、海外空路が前年同月比38.1%増と大きく伸びていることです。これは国際航空路線の再開・新規就航が進んでいることを示しています。一方で、海外海路(クルーズ船)は11.3%減と唯一マイナスとなっています。
国内空路が全体の77.4%を占めることから、航空会社の運航状況や座席供給量が入域観光客数に大きく影響することがわかります。需要予測には航空会社の増便・減便情報を継続的にチェックすることが重要です。また、国際航空路線の回復傾向にも注目が必要です。
注目すべき5つのトレンド
2025年2月のデータに基づき、注目すべき5つの重要なトレンドをピックアップしました。
①コロナ前水準への回復状況に二極化
国内観光客はコロナ前の水準を13.9%上回る一方、外国人観光客は72.9%の回復にとどまっています。この回復ペースの差は今後も続く可能性が高いでしょう。
②地方発着直行便の増加
「その他」地域からの観光客増加率が10.7%と最も高く、地方都市からの直行便やチャーター便の運航増加が影響しています。従来のメインマーケット(東京・大阪)以外からの集客機会が増えています。
③国際航空路線の段階的回復
海外空路からの入域客数が前年同月比38.1%増と大きく伸びています。これは国際線の再開・新規就航が進んでいることを示し、今後さらに回復が見込まれます。
④二月の安定した需要パターン
プロ野球春季キャンプなどのイベント効果により、2月は安定した需要があります。このパターンは今後も継続すると予想され、年間計画における重要な収益期間と位置付けられます。
⑤クルーズ船の変動性
海外海路(クルーズ船)による入域客数が前年同月比11.3%減と唯一マイナスになっています。クルーズ船の寄港スケジュールは変動が大きいため、事前の情報収集と柔軟な対応が必要です。
・データから国内観光客が全体の77.6%を占める状況が続いており、当面は国内客中心の戦略が有効
・国際線の回復が進んでいるため、段階的にインバウンド対応の準備を進めることが必要
・プロ野球キャンプなどの季節イベントに合わせた安定した需要を基盤としつつ、新たな集客チャネルの開拓も並行して検討すべき
まとめ:データから読み取るポイント
2025年2月の入域観光客数データから、以下の重要ポイントが明らかになりました:
現状とトレンドをバッチリ押さえた上で、この記事がホテル戦略づくりのヒントになれば幸いです。
※本記事は2025年4月末時点の情報をもとに作成しています。最新の情報は沖縄県観光政策課の公式サイトをご確認ください。
※データ出典:沖縄県文化観光スポーツ部観光政策課「令和7年(2025)2月 入域観光客数概況(速報)」