小さな宿泊施設・ホテルの為の写真講座#2 撮影編 2025年6月5日

小さな宿泊施設・ホテルの為の写真講座#2
撮影編

「うちの宿の魅力をもっと伝えたいのに、写真がどうもパッとしない…」
「カメラは買ったけど、設定が難しくて結局オート任せ。もっと素敵な写真が撮れたら…」
「プロに頼むのは費用が気になるし、自分で何とかできないかな?」
宿泊施設を予約するときに最も先に目にするのは何といっても「写真」ですよね。魅力的な写真は、それだけでお客様の心を掴み、「ここに泊まってみたい!」と思わせる力を持っています。
でも、いざ自分で撮ろうとすると、「何から手をつければいいの?」「専門業者に依頼すると高そう…」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。特に、絞りやシャッタースピード、ISO感度なんて専門用語を聞くと、頭が痛くなってしまうかもしれませんね。
ご安心ください!この記事では、そんなカメラ初心者の方でも「私でも”予約したくなる写真”って撮れるのかな?」、「プロに判断するべきか」という疑問を解消できちゃいます!実際に筆者がホテル撮影をするときに考えていること、必要な設定などをご紹介します。
1. なぜ写真は最重要?宿泊施設の魅力を最大限に引き出す撮影術
今の時代、ネットで宿を探すときに一番大事なのは「写真」です!OTA(オンライントラベルエージェント)や自分のホームページ、SNSにキレイな写真が載っているだけで、「ここ泊まってみたい!」って思ってもらえる確率がグッと上がります。逆に、どんなに素敵な宿でも、写真が暗かったりイマイチだと選ばれにくくなっちゃうんですよね。もったいない…!
考えてみてください。あなたが旅行を計画するとき、まず何を見ますか?きっと、宿の雰囲気が伝わる写真を探すのではないでしょうか。「わあ、素敵なお部屋!」「この景色、見てみたい!」そんな風に心が動かされる体験が、予約の決め手になるのです。だからこそ、自分たちの宿の魅力を最大限に引き出す写真撮影の技術は、小さな宿のオーナーさんにとって、強力な武器となり得るのです。
Expediaが実施した調査では、写真が15枚以上あるホテルは、写真が5枚未満のホテルと比較して、客室の予約数が3倍多いことが明らかになりました。Trust International Partners with VFM Leonardo to Simplify Image Managementより
2. 撮影前の必須準備!これだけで変わるホテル写真のクオリティ

「よし、撮るぞ!」とカメラを構える前に、ちょっと待って!
実は、撮影前の準備が写真のクオリティを大きく左右するんです。
でもこのあたり、前回の記事「小さな宿泊施設・ホテルの為の写真講座#1 ホテル撮影に必要な機材と撮影前の準備編」で詳しく解説しているので、もっと知りたい方はぜひそちらもチェックしてみてくださいね!
2-1. 三脚はあなたの相棒!ブレない写真の絶対条件
まず、声を大にしてお伝えしたいのが「三脚は絶対使って!」ということです。
特に室内での撮影は、思った以上に光量が足りないことが多く、カメラが光を十分に取り込もうとしてシャッタースピードが遅くなりがちです。
手持ちで撮影すると、この遅いシャッタースピードが原因で手ブレが発生し、せっかくの写真がぼやけてしまいます。
ボケた写真って撮影しているときは夢中になって撮っているので気づきにくいんですが、いざ写真を見返してみると微妙にボケてる!ピントがあってない!ってなりがちなんです。
また、カメラのフォーカス機能も完璧ではないので失敗していることもしばしば、カットごとに丁寧に確認するのがおすすめです。
「三脚ってプロっぽいしハードル高そう…」と思うかもですが、使い方は意外とシンプル。これだけメリットがあるので、ぜひ一度試してみてくださいね!
- 手ブレを防げるので、ピントがバッチリ合ったクリアな写真が撮れる!
- 構図をじっくり決められるから、納得いくまで微調整できる!
- ISO感度を低く設定できるので、ノイズの少ないキレイな画質になる!
- シャッタースピードを遅くできるから、暗い室内でも明るく撮れる!
- 自分も写り込まずにセルフタイマー撮影もできる!(集合写真やスタッフ写真にも便利)
2-2. 水平垂直を制する者は写真を制す!
次に重要なのが、写真の「水平垂直」をしっかりと意識することです。
建物や家具のラインが傾いている写真は、どんなに良いお部屋でも、どこか不安定で素人っぽい印象を与えてしまいます。SNSでプロではない方の投稿を見ているとこれが、非常にもったいないんです!
多くのカメラには、画面内に「水準器」を表示する機能がついています。
カメラのアクセサリーシューに取り付けるタイプの外付け水準器も安価で手に入ります。(こちらが正確でおすすめ!)
この一手間が、写真のプロっぽさを格段に引き上げます。「たかが水平垂直」と侮るなかれ。これがしっかりしているだけで、写真はグッと引き締まり、見る人に安心感と心地よさを与えるのです。
2-3. 部屋を美しく見せる!撮影前の最終チェックリスト
さあ、いよいよ撮影!…の前に、最後にもう一つ大切なことがあります。
それは、お部屋そのものを最高の状態に整えることです。お客様が実際に滞在する空間を撮影するわけですから、細部まで気を配りたいものです。
前回のおさらいとなりますが、チェックリストを参考に、撮影前にお部屋を整えましょう。
- ベッドメイキングは完璧ですか? シーツやカバーにシワ一つない状態が理想です。アイロンがあれば、気になるシワは伸ばしておきましょう。クッションや枕も形を整えて。
- カーテンの状態は? カーテンを閉めたパターンと、レースカーテンのみ、あるいは全開にしたパターンなど、複数撮影しておくとバリエーションが生まれます。カーテンのドレープも美しく整えましょう。
- 部屋の隅々まで清掃は行き届いていますか? ホコリや髪の毛、汚れなどがないか確認しましょう。
それと、どうしても目立っちゃう壁やソファーのシミがある場合は、メモしておいて後でレタッチ(画像編集)で消すのもアリです!
「あ、ここシミあるな…」って気づいたら、スマホで場所を撮っておくとか、メモ帳に書いておくと後で編集しやすいのでおすすめです! - 小物は整理整頓されていますか? リモコンやティッシュケース、案内冊子なども、美しく配置されているか、あるいは一時的に片付けてスッキリ見せるかを考えましょう。
- 電球は全て点灯しますか? 照明も重要な演出要素です。切れている電球はないか確認しましょう。
これらの準備を丁寧に行うことで、写真のクオリティは格段に向上し、宿の清潔感や細やかな気配りをお客様に伝えることができます。
3. 失敗しないホテル写真のためのカメラ設定完全ガイド
「カメラの設定って、なんだか難しそう…」そう感じている方も多いかもしれませんね。
でも大丈夫!基本的なポイントさえ押さえれば、オート撮影から一歩進んだ、より魅力的な写真が撮れるようになります。
ここでは、ホテル撮影に欠かせないカメラ設定の基本を、わかりやすく解説します。
この章の目次
3-1. 部屋を広く見せるレンズ選びのコツ
まず考えたいのがレンズです。お部屋の撮影では、空間の広がりを表現できる「広角レンズ」が活躍します。一般的に、35mm判換算で16mm~35mm程度の焦点距離を持つレンズが広角レンズと呼ばれます。これにより、限られたスペースでも部屋全体をバランス良くフレームに収めることができ、開放感を演出できます。
客室の広さって、撮影するには実は思っている以上に「狭い」ことが多いんです!「広いお部屋ならどんなレンズでも大丈夫でしょ?」と思いきや、実際に撮影してみると「え、全体が全然入らない…!」ってなること、めちゃくちゃ多いです。
広角レンズじゃないと絶対に撮れないアングルが死ぬほどあります。標準レンズだと、どう頑張ってもベッドの一部しか写らない!とか、部屋の一部しか見えない!みたいなこともザラです。
「広角レンズってプロっぽいし、なんか難しそう…」と思うかもですが、最近はスマホでも広角モードが付いているので、まずは気軽に試してみてください。部屋の広さをしっかり伝えたいなら、広角レンズは必須アイテムです!
一方で、あまりに広角すぎると、部屋の隅が歪んで不自然に見えたり、物が実際よりも小さく写りすぎたりすることがあります。そのため、標準レンズ(35mm判換算で24mm~70mm程度)も用意しておき、部屋の広さや伝えたい雰囲気に合わせて使い分けるのがおすすめです。
例えば、お部屋全体の雰囲気を伝えたい場合は広角レンズ、特定の家具やアメニティに焦点を当てたい場合は標準レンズ、といった具合です。
お手持ちのカメラがレンズ交換式でない場合は、ズーム機能で最も広角側(数字が小さい方)を使ってみましょう。
最近のスマートフォンには、高性能な広角カメラが搭載されているものも多いです。一眼レフやミラーレスカメラがない場合でも、スマホの広角モードを上手に活用すれば、十分に魅力的な写真が撮影可能です。
ただし、歪みには注意して出来るなら補正しましょう。
スマホで歪み補正をするなら「Snapseed」
- Snapseedは無料で使えるスマホ用の画像編集アプリ
- 「ツール」→「射影変換」を選ぶと、写真の歪みを直感的に補正できます!
- 壁や窓枠がまっすぐになるだけで、写真のクオリティが一気にプロっぽくなりますよ!
「なんか歪んでるな…」と思ったら、ぜひ射影変換を試してみてください
Snapseedは他にも細かいレタッチが無料で出来るおすすめのアプリですよ!
3-2. ISO・絞り・シャッタースピードの基本とバランス
カメラの写真の明るさや雰囲気を決める大事な3つの設定が、「ISO感度」「絞り(F値)」「シャッタースピード」です。
これらはそれぞれ役割があり、組み合わせによって写真の仕上がりが大きく変わります。難しそうに感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば大丈夫!
ひとつずつ分かりやすく説明します。
-
01ISO感度カメラがどれだけ光に敏感かを表す数字です。
・数字が小さい(ISO100など)ほど、画質がきれいでノイズ(ザラザラ感)が少なくなります。
・数字が大きい(ISO1600など)と、暗い場所でも明るく写せますが、ノイズが増えて画質が落ちやすくなります。
ホテルの部屋を三脚で撮るなら、ISO100~400くらいに抑えるのがベストです。 -
02絞り(F値)レンズの中の「羽」の開き具合を表す数字です。
・F値が小さい(F1.8など)と、たくさん光が入って背景がボケやすくなります。
・F値が大きい(F8やF11など)と、光の量は減りますが、手前から奥までピントが合いやすく、全体がくっきり写ります。
客室全体をしっかり見せたいときは、F8~F11くらいがおすすめです。 -
03シャッタースピードシャッターが開いている時間の長さです。
・長く開ける(1秒など)と、たくさん光が入りますが、手ブレしやすくなります。
・短くする(1/100秒など)と、動きを止めやすいですが、光の量は少なくなります。
三脚を使えば、シャッタースピードが遅くてもブレずに撮れるので安心です。
この3つは「明るさ」を決めるためにお互いに関係しています。
例えば、部屋全体にピントを合わせたくてF値を大きく(F8~F11)すると、写真が暗くなりがちです。
そんな時は、ISO感度を少し上げるか、シャッタースピードを遅くすることで明るさを調整します。
三脚があれば、シャッタースピードを遅くしてもブレないので、ISO感度を低く保って画質をきれいにできます。このバランスを意識するだけで、グッと写真が良くなりますよ!
注意点:ISO感度の上げすぎに注意!
ISO感度を上げすぎると、写真にノイズ(ザラザラした粒子)が発生し、画質が著しく低下します。特に暗い部分で目立ちやすくなります。三脚を使い、できるだけISO感度を低く(理想はISO100、高くてもISO400程度まで)保つことが、クリアで美しい写真を撮るための重要なポイントです。どうしても手持ちで撮らなければならない場合以外は、安易にISO感度を上げないように心がけましょう。
3-3. 迷ったらコレ!おすすめ撮影モードの選び方
次に、具体的にどの撮影モードを使えば良いのでしょうか?
私が、おすすめなのは「絞り優先オート(AvまたはAと表記されます)」モードです。
このモードでは、あなたがF値を設定すると、カメラが適切なシャッタースピードを自動で計算してくれます。「部屋全体にピントを合わせたいからF値をF8にしよう」と決めれば、あとはカメラ任せでOK。とても便利ですね。
少し慣れてきたら「マニュアルモード(Mと表記)」に挑戦してみるのも良いでしょう。マニュアルモードでは、F値とシャッタースピードの両方を自分で設定します(ISO感度も手動または自動を選べます)。より細かく自分の意図を反映した写真作りが可能になりますが、最初は難しく感じるかもしれません。
まずは絞り優先オートで、F値を変えると写真がどう変わるかを体験してみるのがおすすめです。
3-4. すぐ使える!ホテル撮影の基本設定値まとめ
「なるほど!全然分からん!!」という方のために、ホテル撮影で私がベースにしている基本的な設定値の目安をご紹介します。
もちろん、部屋の明るさや撮りたいイメージによって調整は必要ですが、まずはここから始めてみましょう。
- 撮影モード: 絞り優先オート (Av / A) または マニュアル (M)
- ISO感度: 200(三脚使用時。できるだけ低く設定し、画質を優先)
- 絞り (F値): F8(部屋全体にピントを合わせ、シャープな印象に)
- シャッタースピード: 絞り優先オートの場合はカメラが自動設定。マニュアルの場合は、適正露出になるように調整(三脚使用なので、数秒になってもOK)
- ホワイトバランス: オート(AWB)で基本OK。気になる場合は「太陽光」や「曇り」「蛍光灯」など、光源に合わせて調整。RAW形式で撮影しておけば後から調整も可能です。
- 画質モード: RAW(ロー)形式一択!後から編集で明るさや色味を自由に調整できるので、安心です!データ容量はちょっと大きくなりますが、「やっぱりこうしたい!」って時にめちゃくちゃ助かります!
「あとで写真を編集したいな~」って思ってる人、絶対にRAW(ロー)形式で撮影してください!これ、ほんとに大事なんですよ!
JPG(ジェイペグ)で撮ると、カメラが自動で画像を圧縮しちゃうので、編集したときに画質が劣化しやすいんです。
「RAWって何それ?」って思うかもですが、カメラが記録したままの”生データ”だと思ってもらえればOKです!
- RAWなら、明るさや色味をあとから自由に調整しても画質がほとんど落ちません!
- 「あ、ちょっと暗かった…」とか「色が変だな…」って時も、RAWならサクッと修正できる!
- JPGは編集に弱いので、ちょっといじるだけで画像がザラザラになったり、色が変になりやすい…
「RAWって難しそう…」って不安な人も多いと思いますが、最近はスマホでもRAW撮影できる機種が増えてますし、Lightroom(ライトルーム)やSnapSeedみたいな無料アプリもあるので、全然大丈夫です!
とりあえずRAWで撮っておけば、「やっぱりこうしたい!」って時にめちゃくちゃ助かります。
なので、ぜひ一度RAW撮影、試してみてくださいね!
4. 構図とアングルで魅せる!お客様が泊まりたくなる空間演出
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます!
「カメラの設定、もうお腹いっぱい…」なんて思っている方もいるかもしれませんが、実はここからが写真の”見栄え”を左右する超・重要ポイントなんです!構図やアングルをちょっと意識するだけで、「なんかプロっぽい!」「この部屋、泊まってみたい!」って思わせる写真が撮れちゃいますよ。あともうひと踏ん張り、一緒にコツを押さえていきましょう!
最後まで読めば、きっと撮影がもっと楽しくなるはずです!
この章の目次
4-1. 撮影の高さは?心地よい目線の基準
写真を撮る際のカメラの高さは、意外と写真の印象を大きく左右します。高すぎると部屋を見下ろすような威圧感が出たり、低すぎると不安定な印象になったりすることがあります。
一般的に、心地よいと感じられるのは、人がリラックスして座った時の目線や、少し屈んだくらいの高さと言われています。具体的な目安としては、女性の平均身長(150cm~160cm)の目線よりやや下、だいたい床から100cm~120cmくらいを基本とすると、落ち着いた、空間を広く感じさせる写真になりやすいです。
もちろん、これはあくまで基本。ベッドやソファなど、家具の高さを考慮したり、あえて低いアングルから見上げるように撮って天井の高さを強調したりと、部屋のレイアウトや伝えたい雰囲気に合わせて調整してみてください。もし撮影に依頼者が同行しているなら、どの高さが良いか直接聞いてみるのも良いでしょう。
4-2. 部屋の四隅から全体を捉える基本構図
客室の全体像を伝えるためには、部屋の四隅(またはそれに近い場所)から対角線方向を狙って撮影するのが基本テクニックです。
これにより、部屋の広がりや奥行きを効果的に表現できます。入り口から奥を見た構図だけでなく、奥から入り口側を見た構図も撮影しておくと、部屋の理解が深まります。
その際にも、「写真に傾きがないように水平・垂直を意識する」ことは、ここでも最重要ポイントです。
三脚と水準器をしっかり使い、柱や壁のラインがまっすぐになるように細心の注意を払いましょう。
また、部屋の魅力的なポイント(例えば、特徴的な窓、おしゃれなインテリア、ベッドなど)がバランス良く配置されるように構図を調整します。
「何を一番見せたいのかを意識することが大切です。
4-3. 窓の外の絶景も美しく!HDR合成テクニック入門

「窓の外にはオーシャンビューが広がっているのに、写真を撮ると部屋の中が真っ暗になるか、窓の外が真っ白に飛んでしまう…」こんな経験はありませんか?
これは、室内と窓外の明るさの差(輝度差)が大きすぎるために起こる現象です。
こんな時に役立つのが「HDR(ハイダイナミックレンジ)合成」というテクニックです。これは、明るさを変えて複数枚(例えば、室内が適正露出の写真、窓外が適正露出の写真、その中間の写真の3枚など)を撮影し、それらを後から専用ソフトやカメラ内機能で合成することで、明るい部分から暗い部分まで、白飛びや黒つぶれなく綺麗に描写する方法です。
特にオーシャンビューや美しい庭園が見える施設では、このテクニックが非常に重要になります。
最近のカメラやスマートフォンにはHDR機能が搭載されているものも多いので、試してみる価値は大いにあります。手動で行う場合は、三脚でカメラを固定し、露出を変えて数枚撮影(ブラケット撮影と言います)し、後でPhotoshopなどの画像編集ソフトで合成します。
少し手間はかかりますが、窓の外の美しい景色も諦めずに表現できますよ。
4-4. 映り込みに注意!プロが気をつける細部のポイント
最後に、意外と見落としがちだけど本当に大事なのが「撮影者の映り込み」です。
鏡やガラス、テレビ画面、ピカピカの冷蔵庫の扉とか、反射しやすい場所は要注意!せっかくバッチリ撮れたと思ったのに、あとでPCで写真をチェックして「あれ、自分写ってるやん…!」って気づくと、ちょっと恥ずかしくなっちゃいます。
(私もよくやります!)
撮影前に、部屋の中で反射しそうな場所をざっとチェックして、自分が写り込まないアングルや立ち位置を探してみてください。
どうしても避けられない場合は、レタッチ(画像編集ソフト)で消しちゃうのもアリです!
当たり前ですが、うっかり写り込んだやつは必ずレタッチで消しています。
三脚やカメラバッグも意外と映り込みやすいので、そっちも忘れずにチェックしましょうね!
細部へのこだわり
コンセントのコードがだらしなく見えていないか、ゴミ箱の中身が見えていないか、など、細かな点にも気を配ると、写真全体の印象が格段に良くなります。
「神は細部に宿る」と言いますが、写真も同じ。お客様は意外と細かいところまで見ていますよ。
5. 撮り逃し厳禁!施設の魅力を余すことなく伝える撮影ポイント

素晴らしい客室の写真が撮れたら、それで満足…ではありません!お客様は、客室以外の共用スペースやアメニティ、そしてそこでどんな体験ができるのかということにも大きな関心を持っています。施設の魅力を余すところなく伝えるために、撮り逃しがないようにしましょう。
5-1. 客室だけじゃない!共用スペースやアメニティも忘れずに
お客様は、施設の設備やサービスを写真で見て判断することが多いです。ですから、客室だけでなく、以下のような場所やアイテムも魅力的に撮影しておきましょう。
- ロビー・ラウンジ: 宿の顔となる空間。お客様が最初に足を踏み入れる場所の雰囲気はとても大切です。
- レストラン・カフェ: 食事が楽しめる場所なら、料理だけでなく空間全体の魅力も伝えましょう。
- お風呂・大浴場・貸切風呂: 清潔感はもちろん、リラックスできる雰囲気を演出。湯気なども効果的です。
- 庭・テラス・バルコニー: 自然を感じられる空間や、眺めの良い場所は大きなアピールポイント。
- アメニティ類: こだわりのシャンプーやタオル、ウェルカムドリンク、客室備品なども丁寧に撮影。
- 外観: 昼間の明るい雰囲気と、夜のライトアップされた幻想的な雰囲気、両方あると良いでしょう。
- その他ユニークな設備やサービス: 例えば、キッズスペース、ライブラリー、レンタサイクルなど、宿独自の魅力も写真で伝えましょう。
これらの写真を豊富に用意しておくことで、お客様は宿での滞在をより具体的にイメージできるようになります。
「どこを撮ればいいのか迷ってしまう…」という方もご安心ください!
前回の記事で撮影チェックリストをご用意していますので、そちらを見ていただければ撮り忘れ防止にきっと役立ちますよ!
5-2. 宿泊体験をイメージさせる「ストーリー性のある写真」とは?
単に設備を綺麗に撮るだけでなく、お客様が「ここでこんな素敵な時間を過ごせそう!」と宿泊体験を具体的にイメージできるような「ストーリー性のある写真」を心がけることも大切です。
例えば、
- 窓辺の椅子に置かれた読みかけの本とコーヒーカップ(くつろぎの時間を連想)
- テラスで夕日を眺めながら乾杯しているグラス(特別なひとときを連想)
- ふかふかのベッドに用意されたパジャマと小さなぬいぐるみ(安らぎと温かみを連想)
このように、小物を効果的に使ったり、特定のシーンを切り取ったりすることで、お客様の感情に訴えかける写真になります。
「この宿に泊まったら、どんな素敵な体験ができるんだろう?」とワクワクさせるような、想像力をかき立てる一枚を目指しましょう。
ただし、実際にその場にない小物をわざわざ持ち込んだり、現実には存在しない演出を加えたりするのはNGです!
あくまで「その宿に本当にあるもの」「普段の雰囲気」を大切に、やりすぎない自然な演出を心がけてくださいね。
バランス感覚が大事ですよ!
6. それでも難しい?プロの技と外注の選択肢
ここまで自分で撮影するコツをお伝えしてきましたが、「やっぱり難しそう…」「もっとクオリティを追求したい!」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方のために、プロに依頼するという選択肢についても触れておきましょう。
6-1. プロカメラマンへの外注、費用相場と選び方のコツ
「どうしても自分では満足のいく写真が撮れない」「時間がない」「オープン前などで確実に高品質な写真が必要」といった場合には、プロのカメラマンに撮影を依頼することも有効な選択肢です。
気になる費用相場ですが、撮影内容(部屋数、カット数、撮影時間など)やカメラマンの実績によって大きく変動します。
一般的には、半日(4時間程度)で数万円から、1日(8時間程度)で10万円~数十万円といったところが多いようです。
宿泊施設専門のカメラマンもいれば、建築写真全般を扱っているカメラマンもいます。
外注する際のTips
「プロに頼むのって、やっぱりお金がかかるし…」と迷っちゃいますよね。
でも、プロが撮影した写真は本当にクオリティが高くて、長い目で見ると予約率アップやブランドイメージの向上につながることも多いんです!
最初はちょっと勇気がいる投資かもしれませんが、写真は資産です。
クオリティーの高い写真は、長い間、営業ツールとして活躍します。
無理のない範囲で、ご自身の状況や予算と相談しながら、「今の自分にとってベストな選択は何かな?」と一緒に考えてみましょうね!
7. まとめ:あなたも撮れる!「予約したくなる写真」への第一歩
さて、ここまで小さな宿泊施設・ホテルのための写真撮影のコツを、準備からカメラ設定、構図、さらには外注の選択肢まで、幅広くご紹介してきました。
「私でも”予約したくなる写真”って撮れるのかな?」という最初の疑問は、少し解消されたでしょうか?
「カメラの専門用語とか設定とか、なんだか難しそう…」って思うかもしれませんが、安心してください!
一つ一つ意味を知って、実際にちょっとずつ試していけば、ちゃんと使いこなせるようになりますよ。
特にオーナーさん自身が撮影する場合、外部に頼むのと違って、何度でも納得いくまでチャレンジできるのが最大の強みです!
大切なのは、撮影テクニックよりも「お客様の目線で、どんな写真なら泊まりたくなるかな?」を常に意識すること、そして諦めずに楽しみながらトライし続けることですよ!
- 準備が命: 三脚は必須、水平垂直は徹底、部屋の清掃と整理整頓を忘れずに。
- 基本設定をマスター:ISO感度は低く(100~400)、絞り(F値)はF8~F11を目安に。絞り優先オートから始めよう。
- 構図とアングルで魅せる:部屋の四隅から、女性目線の高さで。窓外の景色もHDRで美しく。映り込みにも注意。
- 施設の魅力を余すところなく:客室以外も撮影し、宿泊体験をイメージさせるストーリー性のある写真を。
まとめ
あとは、たくさん撮ってみて、あとで見返しながら「ここをもう少し工夫したいな」と感じたら、またチャレンジしてみてくださいね。
その積み重ねが、気づけば写真スキルの成長につながっていくんです!
次回の記事では「撮影した写真をもっと魅力的に仕上げるレタッチ(画像編集)のコツ」について、実際の手順やおすすめの現像ソフトも交えてご紹介する予定です。
少しの設定で、写真の印象がグッと印象が変わるので、ぜひお楽しみに!
#写真撮影

担当:撮影/SNS運用/フロントエンド開発
実績:ECサイト店長として運営・マーケティング業務を経験
OTAの仕組みを学び、宿泊施設サポートを勉強中。